中学生のときに原子の構造を初めって知った.太陽を中心として回る惑星の様なイメージで原子核,電子の位置関係を理解した.原子核をゴルフボールくらいに拡大すると電子がある場所は1kmも先になってしまうという.その間は何もない空虚な空間.そんな原子がサハラ砂漠の砂粒の数くらい集まって私の指は作られている.
高校になると,原子核そのものももっと小さな粒子で成り立っていると知った.私の指の中は,太陽系が無数にあるという単調な宇宙ではなく,銀河があり,銀河団があり,銀河団の塊があり....と複雑な階層を持つ宇宙そのものだと想像した.
大学でファイマン物理学のテキストの序文だったか,教授が『宇宙はグラス一杯のワインだ,とあるがどういう意味ですか?』と問題を投げかけてきた.挙手はしなかったが,宇宙は私の指そのものだ,と思った.
昨日,久しぶりに映画『メンインブラック』を見た.銀河がビー玉の中にあった.そのビー玉を転がし他のビー玉に当てて遊ぶ奇怪な生物が最後のシーン.指ではなくビー玉で私の描く宇宙と物質感が描かれていた.さすが映画人.指よりビー玉の方がはるかに映像になる.
写真は『ダチョウ』 2008年4月 6日 多々良駅近く(群馬県東部)にて撮影
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